中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのブログ
「陀羅尼助丸の里を訪ねる」2022年8月18日
金沢の漢方生薬屋、中屋彦十郎薬局
陀羅尼助(ダラニスケ)という薬を製造したり、販売したりしている店舗は各地にあり、それなりに繁盛しているのは何故なのか昔から不思議に思っていた。
今回お盆休みを利用して各地の陀羅尼助を訪ねてみた。
金沢を出るときは晴れていて熱中症の心配をしなければならないような気候だった。
大阪難波を経由して二時間程で南海電車極楽橋に着き、立派なケーブルに乗って山頂の高野山に到着した。
現地ではバスに乗って街中を目指す。
方々を探してようやく「大師陀羅尼助製薬」の本舗を探しあてることができた。
下界と違いここではそれほど暑さは感じない、さすが海抜千メートルである。
この薬の成分はオウバク、リュウタン、アオキの三種類で極めて単純な処方である。
真言密教の真実を求め、加持祈祷を重視した修行僧が携帯して病気に備えた。
昔は竹皮に包み、護符状に仕上げたものだが今はもうない。
現在は乾燥エキスにした丸薬状のものだった。
これを本舗の事務長(社長かな)が丁寧に説明してくれた。
私などとてもこんな風にはできない。
老舗の面影はないが、余裕を感じさせる風貌であった。
心地よい気持ちになり、高野山の街中にある陀羅尼助販売店をいくつか訪ね買物はしなかったが、会話を楽しんだ。
その日は大阪駅を経由して京都に宿泊した。
翌日は近鉄電車に乗り吉野を目指した。
吉野方面にも陀羅尼助の製造や販売している店がある。
橿原神宮前で乗り換え、さらに下市口駅で下車しバスにて一時間ほど乗車し天川村洞川に着いた。
多岐川舞子が歌う「天川しぐれ」で知られる天川村には大峰山陀羅尼助製薬の陀羅尼助丸を販売している店舗が街道沿いに十五軒ほどある、その店を一軒づつ訪ねてみた。
この大峰山陀羅尼助丸の成分はオウバク、ガジュツ、ゲンノショウコである。
販売店はどの店も作りは立派で次から次へと客が入っていく。
ここは洞川温泉という温泉地であるが土産物といえば陀羅尼助丸なのかもしれない。
天気は時雨ていて雨が降ったり止んだりでうっとうしい日だった。
天川神社を訪ねて みようと思い観光案内所で聞くと別の字(アザ)でタクシーで往復すると一万円ほどかかるというのであきらめることにした。
その日は下口市に戻り川上村に宿泊することにした。おすすめできるホテルである。
翌日は近鉄吉野駅で下車し、オンボロなケーブルに乗り頂上を目指す。山の上には何十軒も店屋が立ち並び桜の頃や紅葉の時期は観光客で一杯になるというが今は人は少ない。
その店屋の並びに藤井陀羅尼助丸本舗がある。訪ねた日はあいにくと休業日だった。
この製剤は全国に卸販売されている。
吉野からは女人禁制の修験道の山、大峰山を目指すことができる。
「親の言うこと聞くか!」と修験者に諭され鍛えられることで有名な大峰山である。
今度の旅はこれくらいにして帰路につくことにした。
この日も散々雨にたたられ、天気には恵まれなかった。
↑各種陀羅尼助丸
(発行者)中屋彦十郎薬舗(株) 中屋彦十郎 石川県金沢市片町1丁目1−29
掲載された記事を無断で転載することは禁じます。
©2001 - 中屋彦十郎薬舗株式会社 All rights Reserved.
プライバシー保護方針 特定商取引法に基づく表記
本社・薬局/通信販売
〒920−0981 石川県金沢市片町1丁目1-29 TEL 076-231-1301/FAX 076-231-1306
工場
〒921−8117 石川県金沢市緑が丘21-9 TEL 076-245-3366
|