中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第8号 2002年5月27日
加賀は天下の書府
加賀は天下の書府
今回は「利家とまつ」から数えて4代目にあたる前田家第5代前田綱紀についてお話したいと思います。
この綱紀公は薬種の振興に非常に貢献した方で本草学者(薬学者)を金沢へ招き本草学の研究をさせるとともに、薬方を蒐集し秘薬の研究もすすめました。
招かれた本草学者の一人、稲生若水は和薬の探索、薬用 植物の調査、栽培、秘薬の調製もおこないました。
特に、薬学書の原典といわれる中国の李時珍の著した「本草綱目」の研究をすすめ、秘薬の製造、販売もすすめました。
綱紀公はこれらの学者とともに、博物学書「庶物類纂」1,000巻を編集したり、「百工比照」を編纂したりしました。(現在も金沢市立図書館に蔵書になっているのでは?)
しかし、これらの研究は単なる物好きでやっていたとは思われません。
政治家であり経済人であった綱紀公が目指したものは、起死回生の薬と不老長生の薬の探索ではなかったのか。私はそう思います。
綱紀公は生来、頑健なほうではなかったらしくそれが薬の研究をすすめるきっかけになったと思われます。
この綱紀公の治世下60年の間に加賀藩の学術、科学は飛躍的に発達し、文化も揺籃期を迎えたといわれています。
加賀は天下の書府といわれたのもこのころです。
年代では寛永から享保の頃(1640〜1725)です。
それから277年目を迎えた2002年、このようにメールマガジン発行を始めました。
このメールマガジン「尾山のくすり大将(「金沢の漢方薬、生薬専門店」の前の名称)」では、423年間にわたってみなさんのお悩みにお答えしてきた漢方薬のお話や、当代に相談されたお話などをお話したいと考えております。
特に、私・15代中屋彦十郎は「牛黄鑑定士」との異名ももっております。
この「牛黄」についてのお話もさせていただく予定です。
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