中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第63号 2003年6月23日
江戸時代の薬(五臓円)、番紅花
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江戸時代の薬(五臓円)
江戸は埋め立てによって拡張されていつた町であることはよく知られているところです。
五臓円は各地で製造販売されているが、なかでも一番有名なのが大木五臓円である。
万治元年(1658年)の創業という。
当時江戸では黒焼屋はいたるところで商いをしていた。
五臓円は漢方医の湖竜斎が五臓に活力を与える処方を考案、初代の大木口哲に伝えたものという。
九種類の生薬を蜂蜜と飴で丹念に練り上げ、砥剤に仕上げられたものである。
配合生薬は人参、芍薬、当帰、川きゅう、山薬、茯苓、地黄、桔梗、蜂蜜でこれに飴と砂糖を加えたものである。
「五臓を安んじ気を益し、痛を止め毒を解して衆病を除く」という保健薬であるが、漢方独特の相乗効果をねらった製剤である。
大木五臓円は店売りだが各地にできた五臓円は売薬商人が売り歩いたものらしい。
手甲脚絆に草履履き、菅傘に紺の大風呂敷を背負った定番の装束が彼らのスタイルだった。
人参が配合されているから高貴薬だったんだろう。
宣伝も活発に行われ小売店には金看板が配られた。
各地で発売されていたのは偽物だったのか。
「偽物アリ、上掲ノ人物商標ニ注目アレ」と書いてある。
リポビタンDやアリナミンが登場するまではもっとも売れた売薬ではなかったか、 戦後和漢薬は古臭いといわれ排除するのが一般人も薬業人にも広がり、この手の薬は急激に衰退した。
逆に漢方薬より更に作用の穏やかな健康食品がおおきな市場を占めるようになってきた。
焦点が絞りきれていないところが時代おくれなのかもしれない。
今飲んでいるお歳よりが亡くなるとともにこの手のくすりは無くなって行くのだろう。
番紅花
サフラン
園芸植物としてよく知られた花です。
薬用にはサフランの花の雌しべを乾燥して用います。
これを電気コンロにかざして、焦がさないように乾燥します。
これを漢薬名を番紅花といい、女性の鎮痛、通経、冷え性に用います。
冷え性には、番紅花五〜六本を湯飲み茶碗半分の湯に浸し、数分たってから、湯だけ飲みます。
これを一日三回飲みます。
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