中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第50号 2003年3月24日
江戸の薬(熊胆(くまのい))、漢方薬膳料理(鶏肉と菊花のいため)
江戸時代の薬(熊胆(くまのい))
熊の胆(い)は熊の胃ではない。
胆嚢である。
熊を捕獲し胆嚢を取り出し薬用に供したのはアイヌ人らしい。
北海道にはヒグマが生息している、これと北陸地方に棲むツキノワグマがわずかだが知られている。
熊胆は熊の胆嚢を取り出して乾かしたものである。
冬の冬眠中の熊をねらい猟師たちは雪深い山奥へ分け入り、熊の穴を探し焚き火をたいて煙を穴の中にいれ、熊を燻しだすのである。
射殺した熊から血液や肉塊を取り除き胆嚢を取り出し、水洗いし乾燥させる。
乾くとカチカチに固まる。
大きい胆嚢は120グラムもあるが乾燥すると2割方減るという。
熊胆は不透明黒色の固い塊で、多くは卵円形である。
香気があり、味は苦い、まれに緑色や褐色のものもある。
悪い品は魚臭い匂いがして苦味が舌に残り、薬用には適しない。
熊胆の鑑別法として、米粒大のものを水中に入れると、急速に回転するものを良品のめやすにしている。
しかし、熊胆は偽物も出回っている。
他の動物胆を加工したもので同じように水に入れると回転する。
やはり信用のある店で買わないと偽物をつかまされるから注意が肝腎だ。
苦味健胃、鎮痛、鎮痙剤として利用される。悪酔い、二日酔いには懐中して、いざというときに飲むと最適である。
漢方薬膳料理(鶏肉と菊花のいため)
ノイローゼ、精神衰弱に
鶏肉と菊花のいため
一、鶏肉のささみを適当に切り、塩、コショウ、砂糖、トウモロコシの粉を入れよく混ぜ合わせ下味をつける。
二.中華鍋にゴマ油を引き、さきのしたあじをつけた材料をいれる。
三.油を入れ(ラードならばなお可。)中火でいためる。
四.さらにに強火にし菊花をいれ、混ぜいためる。
五.最後に水溶き片栗粉を入れとろみをつける。
六.出来上がれば盛り付ける。
(発行者)中屋彦十郎薬舗(株) 中屋彦十郎 石川県金沢市片町1丁目1−29
掲載された記事を無断で転載することは禁じます。
©2001 - 中屋彦十郎薬舗株式会社 All rights Reserved.
プライバシー保護方針 特定商取引法に基づく表記
本社・薬局/通信販売
〒920−0981 石川県金沢市片町1丁目1-29 TEL 076-231-1301/FAX 076-231-1306
工場
〒921−8117 石川県金沢市緑が丘21-9 TEL 076-245-3366
|