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「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第48号 2003年3月10日
江戸の薬(陀羅尼助)、漢方薬膳料理(鶏肉のしいたけ、棗蒸し)
江戸時代の薬(陀羅尼助)
北陸地方の方言で「ダラ」という言葉がある、馬鹿とかアホとかいう意味に使われる。
「ダラんないかい」とかいう念をおした言葉もある。
私は前からこの方言に興味をもっていた。
というのは「陀羅尼助(ダラニスケ)」という家伝薬があるからである。
この薬の中にこの方言の発祥の秘密が隠されている気がしたからである。
「陀羅尼助」は和歌山県の高野山の修験僧が作ったといわれている、黄檗(おうばくーキハダ)の皮とセンブリの根を煮詰めて作った製剤である。
本来は修行僧が「陀羅尼経」を呪え眠気を防ぐために「陀羅尼助」を口に含んだというのである。
ひどく苦くしかもいつまでも、尾をひいたように頭の中まで苦くなるくらいである。
北陸地方の宗派といえば真宗か日蓮宗か禅宗である。
真宗は「南無阿弥陀仏」、日蓮宗は「何妙法蓮華経」、禅宗は「南無釈迦無尼佛」である。
真言密教である修行僧が唱える「陀羅尼経」はこの地方では異質のお経であり、「陀羅尼経でないかい」という言葉が「ダラんないかい」と訛ったのではないかと考えるのである。
しかも、宗教の持つ排他性が加わって長い年月の間に「ダラ」という相手を誹謗中傷する意味に使われるようになったのではないか、と思うのである。
今も、高野山の金剛峰寺ではこの「陀羅尼助」が製造、販売されている。
空海が開発し施薬したと伝えられる「陀羅尼助」は錠剤の形態をとっているが打ち抜き式である。
胃痛、腹痛、胃腸カタル、食傷、水傷、宿酔、嘔吐に効果があるという。
昔は竹の皮に包んであったが今は瓶にいれて湿らないように工夫してある。
舐めて飲むとおそろしく苦い。
漢方薬膳料理(鶏肉のしいたけ、棗蒸し)
花粉症に
一、鶏肉は水洗いし一口大に切る。
二.しいたけ、ねぎ、しょうがは細切りにしておく。
三.棗はきれいに洗っておく。
四.一,二,三、の材料と醤油、みりん、塩、砂糖、片栗粉を入れ材料が隠れるくらいスープを入れ蒸し器に入れて13分間程強火で蒸す。
出来上がり。
紅花油をかけてもよい。
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