中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第4号 2002年4月30日
100年後の国宝とは何か?
100年後の国宝とは何か?
金沢では今、100年後の国宝を作ろうということで金沢城公園で五十間長屋 、菱やぐら、橋爪門続櫓を再建築したりしています。
これから先二の丸御殿まで建築しようというのです。
これらは藩政時代の前田藩の執務室だったところです。
いわば、昔の県庁舎 を再現しようというのです。
確かに、観光資源としては人集めには有用だとは思いますが今はやりの箱物をつくる行政施策とそれほど違わないのではないでしょうか。
こんなことに何100億という税金をかけるより もっとソフトな100年後の遺産を作ろうではないですか。
例えば、金沢の 町名変更です。
今から40年前、自治省の指導で郵便配達に不便だという理由で藩政時代以来の伝統ある町名を変更したのです。 多くの由緒ある町名が消えていきました。
「お前どんな損すらんや」というのがお上の口癖だったといいます。
全くの驚きです。 今、箱物に巨額の予算を割くくらいなら、せめて旧市内だけでも昔の町名に全部一斉に戻したらどうでしょうか。
これこそ、 100年後に文化遺産を残す事になるのではないでしょうか。
この消えた町名の中に金沢の南部地区にあった「地黄煎町」と言う町名が あります。
当時ここでは漢方薬の地黄を煎じて飴状にして売られていました。
夏には滋養強壮剤として広く愛用されていたのです。
「地黄煎町へ行くと 地黄の匂いすらえんぞ」といわれた六斗林では多くの農家で地黄が栽培されていたというのです。
漢方の処方でも八味地黄丸として地黄が配合されています。
八味地黄丸は中高年の滋養強壮剤、前立腺障害、糖尿病の名薬として良く使われています。
このような由緒ある町名も歴史のかなたへ消えていってしまったのです。残念でなりません。
伝統を守るということはこのような 町名を残すということではないでしょうか。
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