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「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第311号 2008年6月16日
江戸時代に思いをはせる(士農工商)、薬湯の作り方(コウヤマキ湯)
江戸時代に思いをはせる(士農工商)
江戸時代では士農工商という身分制度は厳然と存在していた。
その最下位に属する商人達は富を蓄えるに従い、その富を冥加することによって権威とか特殊な身分を手に入れようとした。
十組問屋がその例である。
薬種の店組は生薬の良否鑑別を行う権限を付与され流通を支配するようになっていった。
そして正式に薬種問屋組合が設立されるや薬品市場に排他独占的な特権が与えられていくようになる。
しかし、その特権もせいぜいが仲間内をしばる制度でしかなかった。
仲間内の店に生薬の流通を認めるかわりに上納金を要求した。
江戸が商いをするために一部の商人達が組合の役職を求めたのに反し、加賀藩の商人達は何故利益よりは武士と同等の待遇を要求したのだろうか。
冥加金で身分を買う、藩もそれを認めることによって資金を調達できるという双方の思惑が一致した。
そこまでして手に入れようとした士分へこだわりとに反し現代は四民平等といわれるているのに、身分制度の時代へ回帰するように、何故今また城郭や殿舎を作ったりするような運動に同友会や経済人がするのか理解しがたい事と
いえる。
薬湯の作り方(コウヤマキ湯)
「コウヤマキ湯」
コウヤマキは樹高が三十〜四十メートルになる日本特産のスギ科の常緑針葉高木で、高野山に多いからこの名がある。
本州、四国、九州に分布し海抜六百〜千メートルの山地に生える。
水に対する耐久性が強いため、船舶材や風呂桶材として利用されてきた。
この材で作った桶で入浴すればその成分が風呂に浸出して薬湯に入ったのと同じ効果がある。
コウヤマキに含まれる精油や樹脂には、血行促進効果と同時に精神安静の効果がある。
また、疲労回復、ストレス解消などの効果が期待できる。
一回分の使用量として、生葉百から百五十枚摘み取って布袋につめ袋ごと鍋に入れ水から火にかけ十五〜二十分ほど煮出し、この煮出し汁と袋を同時に風呂に入れる。
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