中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第310号 2008年6月8日
薬湯の楽しみ方(杉(すぎ)湯)、江戸時代の薬
薬湯の楽しみ方(杉(すぎ)湯)
「杉(すぎ)湯」
杉は樹高二十〜四十メートルになる日本特産のスギ科の常緑針葉高木で本州、四国、九州に分布し、各地で植林も行われている。
スギの材や枝葉には精油成分や樹脂が多く含まれており、アカマツなどと同じように、皮膚の刺激や血行促進の作用がある。
この薬湯に入浴すれば疲労回復、ストレス解消、安眠などのほか神経痛や腰痛などの痛みを和らげたり風邪の予防や冷え性にもいい。
生のスギの葉を利用する。
一回分として三掴み鍋に入れ水から火にかけて煮出し、煮汁を漉しとって風呂に入れよくかき混ぜてから入浴するといい。
江戸時代の薬
江戸時代では偽の薬種を売りさばくものは重罪に処せられた。
御種人参、熊胆、テリアカ(芳香阿片製剤)の類は偽物あらざるものなしと述べている。
家を破りて高金を出し薬を買い求めて用ゆるに真物ならざれば何のしるしもなくて、家をも破り命をも落とす。
実にいたましきの到りなり、薬種を偽るは憎むべき第一なりといわれた。
品川に住む丸屋七兵衛なるものは、桔梗根を煎茶にて染め、これを人参と称して売りさばいて捕らわれた。
判決は引き回しの上、品川御仕置場で死罪となっている。
水牛の角を烏犀角と称して売ったものがいた。
これは害もなく効き目もさして変りはないという問屋の証言もあったが、薬種商売の身分にて不届けにつき遠島の処分を受けている。
薬を扱うものとしては身の引き締まる思いがする。
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