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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第31号 2002年11月4日
精力剤(二)
精力剤(二)
1998年オランダ・アムステルダムで開かれたSIR(国際インポテンス学会)で報告された「日本人男性のED(勃起不全)有病率」によりますと、
40歳〜45歳で16%、46〜50歳になると20%、51〜55歳では36%と上昇し、56〜60歳では47%と二人に一人まではねあがっていきます。
しかもその内10%はどうやっても勃起しない勃起不全だというのです。
また日本で行われたEDに関する疫学調査でも、日本人の40〜70歳の半数以上が何らかの原因で勃起不全、勃起不能になっているというのです。
こういう状態ですから、多くの男性が「精力減退」について深刻な悩みをもっているといえそうです。
男性は精力が減退してくると仕事に対する挑戦や、新規の物事にたいする取り組みがおちてきたりひどくなると鬱状態に陥ったりするのです。
SEXが自然な状態で行えると、女性には理解できないかもしれませんが、征服感が達成されて、モリモリと仕事に対する意欲がわいてくるのです。
精力減退の具体的な症状としては
一.勃起不全 二.勃起不能 三.早漏・遅漏 四.その他(スタミナ不足)
の四つがあげられます。
第一の勃起不全というのは「性交時に十分なだけの勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」といわれています。
つまり、ある程度勃起するのですが挿入できるほどでない、仮に挿入できても途中で柔らかくなってしまう、いわゆる中折れの状態を指しているのです。
まさに青天の霹靂のようなことがある日突然現実のこととなるのです。
女性に「いいわよ気にしないで」などといわれると、ますます気になってくるのです。
中高年にとってはSEXの悩みのシンボルのような勃起不全ですが、最近は中高年だけではなく若い人にもみられるようになりました。
固くならないうちに射精してしまうという場合があり、これも勃起不全の一種です。今、若い人の間にも急速にふえてきています。
男性なら、元気な時は女性のヌードをみたりするとペニスが固くなったりします。これは視覚のとらえたものを脳が察知し、大脳から勃起を起こす中枢神経に命令が伝わってペニスが固くなるのです。
固くなるというのは、性的に興奮すると20〜30mlの血液が一気にペニスの血管に流れ込んでくるわけです。
ところが、勃起を促す中枢神経の働きが弱くなると、ペニスへ流れて血液の量が少なくなり、十分に勃起しなくなります。これが勃起不全です。
勃起不全をおこす原因にはつぎのようなものがあります。
一.男性ホルモンの分泌低下 二.糖尿病、高血圧症、心臓病など慢性病の影響 三.勃起中枢神経の遮断 四.ストレスなど生活環境・精神面の影響 五.薬の乱用 このうち、もっとも多いのが男性ホルモンの分泌低下です。
男子更年期の年齢である40代から多くみられる症状で、加齢からくる自然現象ともいえます。
男性ホルモンとは生殖機能の働きを促すためのものですから、分泌されなくなると勃起能力がなくなり、性欲そのものが低下するだけでなく、
射精をコントロールする射精平滑筋の機能も衰えて、早漏になったりするのです。
糖尿病、高血圧症、心臓病などのよる影響。糖尿病になると精力が減退することは良く知られていますが、高血圧、心臓病、肝臓、腎臓などの慢性病はペニスの血管に影響を及ぼし、十分な血液が流入しないために勃起不全になるのです。
中枢神経の遮断は交通事故などによって脊髄の中枢神経が損傷を受け神経が脳の命令を遮断する結果おこる機能的な問題です。
ストレスは説明するまでもなく、家庭的、社会的な圧迫が精神的に落ち込んでしまい勃起不全やひどいときには勃起不能に陥ったりするのです。
薬の乱用はシンナーや麻薬の影響で神経が麻痺して勃起しなくなったりします。その他降圧剤、うつ病治療薬の服用でもなったりします。
ともかくいろんな原因によって引き起こされる勃起不全ですが、この状態を改善する薬はちゃんとあるのです。
これらの薬については次回に説明をしたいと思います。
ともかく、男性にとっては仕事と勃起能力は車の両輪のようなもので人生のやる気をおこす起爆剤のようなものでしょう。
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