中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第307号 2008年5月18日
薬湯の楽しみ方(はとむぎ湯)、江戸時代の薬(卒倒(脳貧血)の薬)
薬湯の楽しみ方(はとむぎ湯)
「はとむぎ湯」
はとむぎは草丈一〜一.五メートルになる熱帯アジア原産のイネ科の一年草で、薬用として各地で栽培されている。
ハトムギの実は指で押しつぶせるほど柔らかく、花穂は下向きなので、類似のジュズダマとは区別できる。
漢方ではこの果実を精白したものをヨクイニンとよび、消炎、鎮痛、利尿、強壮などやイボ取りとして使う。
ハトムギは美肌効果があるのでこれを用いた薬湯に入浴すると肌荒れ、しみ、そばかすなどに効果的である。
薬湯を作るにはハトムギを一回分として二〜三つかみを袋に入れ、鍋に入れて水から火にかけ、十五分ほど煮出しこの煮汁と袋を一緒に風呂に入れる。
江戸時代の薬(卒倒(脳貧血)の薬)
「卒倒(脳貧血)の薬」
江戸時代の医学書、「広恵済急方」には次のようである。
くらくらと卒倒で倒れたときの応急措置として、暖かな部屋に入れてクシャミをさせるといいと書かれている。
それには、細辛、天南星、半夏などを粉末にして鼻の穴の中へ吹き入れると良い。
これらは漢薬店で売っているが間にあわないときは胡椒の粉を吹き入れると良い。
これもないときは煙草の粉を使っても良いなどと丁寧に記されている。
筆の軸くらいの竹を使ってその端を削り薬をつめ、病人の鼻腔の中へ吹き込むと書かれている。
今でいうところの気付け薬ということだろうか。
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