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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第282号 2007年10月24日
薬湯の利用の仕方「くり湯」、薬茶の楽しみ方「イタドリ茶」
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薬湯の利用の仕方「くり湯」
「くり湯」
くりは樹高十五〜二十メートルになるブナ科の落葉高木で、
北海道南西部から本州、四国、九州まで分布し、各地の山野
にみられるほか、果樹としての栽培も行われ、公園、庭にも
植樹される。 クリには堅果の小さな自生種と堅果の大きな
栽培種がある。 クリの葉や樹皮またイガにはタンニンや
クエルセチンが多量に含まれ、この薬湯に入浴すれば切り傷
擦り傷、やけど、かぶれ、湿疹、吹き出物、ニキビ、あせも、
あかぎれなどに効果がある。
薬湯には葉と樹皮のほかイガも利用する。
いずれも天日で乾燥させる。一回の使用量としては葉や樹皮
ふたつかみ、イガなら十個分を、それぞれ鍋で煮出して煮汁
をこしとりこれを風呂に入れよくかき混ぜて入浴する。
薬茶の楽しみ方「イタドリ茶」
「イタドリ茶」
日本各地、朝鮮半島、台湾、中国などに自生するタデ科の多
年草であるイタドリの根と根茎を用いる。 地方によっては
スカンポとかスイバともよばれる。 春先にでる若芽には酸味
があり、生のままや塩付けにして食用にする。 ただし蓚酸を
多く含むため多食すると下痢や尿路結石の原因になったりす
る。 戦時中にはイタドリの葉をタバコの代用にしたという。
イタドリという名は「痛みとり」に由来するといわれ、中国
では若い茎の紅紫斑を虎の模様にたとえて虎杖(こじょう)
といわれる。 成分にはアントラキノン誘導体のポリゴニンなど
が含まれ、清熱解毒、止痛、活血の効能があり関節痛や黄疸
、生理不順、火傷などに用いる。 緑膿菌に対する抗菌作用が
注目され、急性肝炎、新生児黄疸、気管支炎、骨髄炎などの
臨床効果も報告され、抗腫瘍作用も研究が進められている。
このイタドリ百グラムを取り、フライパンの上で焙じる。
芳ばしい香りがしてきたら下ろし、一回につき十グラムほど
を急須に入れ熱湯を注ぐ。
(発行者)中屋彦十郎薬舗(株) 中屋彦十郎 石川県金沢市片町1丁目1−29
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