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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第27号 2002年10月7日
おけら参り
おけら参り
みなさん、おけらというのをご存知ですか。
おけらになったというと財布の中身が空(から)になったということでしょうか。
皆さんご存知の京都、祇園の八坂神社のおけら参りという行事があります。
大晦日の夜に火を焚きおけらをくべる神事が行われています。
おけらをくべたこの火を、縄に移し持って帰り、元旦のお雑煮を作る種火に用いると一年間無病息災に過ごすことができると信じられています。
「おけら参り」として親しまれています。
大晦日の京の街を火縄をくるくる廻しながら帰る人々の姿は京都の風物詩として広く知られています。
「屠蘇散」にもこのおけら(朮・・ジュツ)が配合されています。
屠蘇散にはこの他、山椒、防風、桔梗。蜜柑皮、肉桂皮が配合されていますがこれを元旦の朝、お燗をしたお酒に入れて飲むと一年間無病息災でいられると伝えられています。
おけらは漢薬名を朮(じゅつ)と言い(求ではない)、蒼朮(そうじゅつ)と白朮(びゃくじゅつ)の二種があります。
漢方の古典「神農本草経」の上品に朮として収載されています。
いずれも水毒をさり、脾胃を健やかにするという点では同じですが蒼朮は発汗に作用し、白朮は止汗に作用すると本草綱目(1596年 漢方薬の古典)は述べています。
キク科のホソバオケラという植物の根茎です。ホソバオケラは江戸時代に既に日本に渡来し栽培されており、「古立蒼朮」、「佐渡蒼朮」 と称されていましたが、今日では佐渡島の一部や各地薬草園で見本的に栽培されているにすぎません。
成分として精油が含有されています。
健胃、整腸、利尿薬として使われています。漢方でいう水毒の要薬です。蒼朮は刻みで500グラムで800円です。
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