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「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第263号 2007年5月30日
薬湯の利用の仕方「入浴剤に適した薬用成分」、薬用茶の作り方「イチョウ茶」
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薬湯の利用の仕方「入浴剤に適した薬用成分」
「入浴剤に適した薬用成分」
精油成分やタンニン以外だと、サポニン類が有用だといえる。
サポニンとは糖類と炭水化物が複合する配糖体の一種で、発泡性を有する植物成分の総称である。
この発泡作用が皮膚の洗浄効果をもたらすので、石鹸の普及する以前はこれを含むサイカチが石鹸代わりに利用されていた。
その他にはルチンやクマリンといった配糖体や、アズレン、粘液質、油脂成分も利用される。
ルチンはエンジュに含まれれ、毛細血管の老化や止血を防ぐ働きがあり、クマリンはヤマグワ、コウゾ、イチジクなどに 含まれ皮膚をなめらかにしたり筋肉を柔軟にしたりする作用がある。
アズレンには皮膚組織再生作用があり、粘液質や油脂成分には皮膚の表面を保護する作用がある。
粘液質を多く含むヤナギやオオバコ、脂肪油を含むハトムギなども浴用剤としては有用である。
江戸時代の薬「鯉胆(りたん)」
「鯉胆(りたん)」
昔、端午の節句が近づくと、武家では家紋入りの旗差物や吹流しを飾り立てた。
これに対抗して江戸の町人は大空高く鯉を泳がしたといわれるが、それが端午の節句の象徴になったといわれる。
江戸っ子の心意気を知る思いである。
コイは中国北部から中央アジアにかけてが原産地である。
漢方では鯉のレバーを鯉胆(りたん)といっている。
眼精疲労によく、ヤマノイモ、クコの実、菊花と一緒に食べると、視力低下や涙目、かすみ目などにきくという。
催乳効果があるというのでかってはよく利用された。
鯉と小豆の煮汁を用いると腎臓にいいというので使用された。
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