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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第25号 2002年9月23日
キハダの話
キハダの話
キハダはミカン科の落葉高木キハダの黄色い内皮のことです。
家庭薬として古くから知られています。また、漢方では黄檗 (おうばく)として処方に配合されています。
石川県の能登地方にもよく見かけられる高木で、これも黄連と同様に金になります。その他の地方としては北海道、岐阜、長野、新潟、広島、熊本県などに産します。
外側のコルク層を剥いで、内側の皮を取り出し乾燥します。10キロ単位なら売買の対象になります。
陀羅尼助(だらにすけ)、お百草、練熊(ねりくま)という名前で売られていますが、現在も薬として存在します。
急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに使われています。
この他に、湿布薬にも配合され炎症性のはれや痛みにも効果があります。成分はベルベリンでアセチルコリンの作用を強めるといわれています。
つまり、副交感神経(自分の意思によって調節できる神経)の働きを高めるというわけです。
消化液の分泌などを盛んにして胃や腸の運動を盛んにします。
また、キハダに塩をまぜたもので歯を磨くと歯槽膿漏や歯肉炎にもいいというのです。
ベルベリンは、ある種の細菌とりわけ腸内細菌にたいしてかなりの抗菌作用があるというのです。
とくに赤痢菌にたいしてはサルファ剤と同程度の抗菌力があるというのですがにわかには信じられない話です。
確かに腸内の異常発酵や悪酔い、二日酔いにも効果のあるのは間違いないようです。
金沢地方では「ばか」とか「あほ」に似た言葉に「だら(陀羅)」という方言がありますが、問題外のことを指した言葉ですが、このはなはだしく苦いキハダを原料にした「陀羅尼助」が語源かもしれません。
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