中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第20号 2002年8月19日
ベニバナは恋の花
ベニバナは恋の花
「ベニバナは恋の花、二年足らずで散りゆく定め・・・・」と歌われるベニバナは漢方薬名を紅花(こうか)
といい婦人病に効く漢方薬として、冷え性や更年期障害などに幅広く使われています。
キク科に属し、草丈は約一メートルの二年草です。茎は直立し、上部で枝分かれしています。
葉は互生で細長い卵形をしていて、先がとがり、まわりにギザギザの切れ込みがあり、その先端は鋭いトゲになっています。
6、7月頃になると、茎の上にアザミに似た黄色の花をつけ、やがて紅色に変化します。
私の行く金沢の歓楽街、片町のスナックで6月頃、決まって黄色のベニバナを生け、8月頃にになると紅色のベニバナを飾る店があります。
或る時、ママにこの事を聞きますと、笑って答えませんでしたが、客の話によると恋仲の男性が亡くなったのだという話でした。
何か、ベニバナにまつわる思い出があるのかもしれません。
芭蕉の句にも「行末は誰が肌触れん紅の花」というのがあるように、口紅の原料としてもつかわれています。「最上紅花」という名があるように、山形県が主産地です。
又、ベニバナの種子からは油がとれ紅花油(サフラワーオイル)として利用されますが、
リノール酸が豊富でうれしいことに脂肪を分解してくれる働きがあります。脂肪肝の人、肥満対策に応用すれば効果的です。
漢方の古典「金匱要略」にも女性の冷え性、産前産後、更年期障害に良いと記されています。
漢方では「気、血、水」と言う考え方がありますが、ここでいう「血流」は血液循環ばかりでなくそれに類したものも含むといわれ、
月経もこの血に関係しているとされ、「血」の流れのとどこった状態のことを「おけつ」と称し、「おけつ」が原因で月経異常や更年期障害、不妊症が生じると漢方では考えています。
中年過ぎの女性にあらわれる冷え、のぼせ、しみなども「おけつ」が原因といわれます。
又、盲腸、子宮筋腫など、腹の手術や流産、早産あるいは腹に打撲をうけた人にも
「おけつ症状」がでる事があります。「おけつ」を取りさることを現代流にいうと、ホルモンを調整して、全身の機能を良くするということでしょうか。
紅花を用いた処方例としては折衝飲(せっしょういん)があります。
薬酒としてベニバナ酒はいかがですか、100グラムのベニバナを1.8リットルのホワイトリカーにつけておく方法があります。色素が溶け出し始めたら飲みだします。あの五木ひろしの「べにばな」を唄いながら・・・・。
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