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「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第161号 2005年5月30日
江戸時代の薬(附子(ぶし))、薬酒の楽しみかた(丁香酒(ちょうこうしゅ))
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附子(ぶし)
「附子(ぶし)」
観賞用に栽培されるハナトリカブトに対し、山に自生する キンポウゲ科の多年草をヤマトリカブトと呼んでいる。
北半球に広く分布しており、その地方の原住民たちはその 根から矢毒を造ったりした。
猛毒成分も裏返せば薬の原料 にもなるわけでその減毒をすることで、漢方処方の研究と 応用が広がってきた。
毒成分は全草にふくまれているが、特に塊根部に多い。
主成分はアルカロイドのアコニチン、メサコニチン、アコ ニンなど。
中毒症状は強い痙攣を起こして死にいたるという 。
塊根をそのまま風乾したものが烏頭、それに操作を加えて 減毒したものが附子である。
江戸時代では塊根を塩水に浸してから生石灰をまぶして、 乾燥して毒成分を減らして使われた。
漢方の八味地黄丸の原料として、漢方医で使われた。
薬酒の楽しみかた(丁香酒(ちょうこうしゅ))
「丁香酒(ちょうこうしゅ)」
丁香六十グラム、甘味料三百グラム、焼酎一リットル。
以上 を壜に詰め、貯蔵すること一ヶ月、これで大体成分は浸出 する。
二、三ヶ月してから、布でこして粕はすてる。
暗紅色のピリッとした舌を刺激する薬酒ができる。
一日の用量は盃に一〜二杯。
中国では1千年前から使われた精力剤であり媚薬である。
(発行者)中屋彦十郎薬舗(株) 中屋彦十郎 石川県金沢市片町1丁目1−29
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