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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第15号 2002年7月15日
茯苓突き(ぶくりょうつき)
茯苓突き(ぶくりょうつき)
茯苓(ぶくりょう)とはサルノコシカケ科のキノコの一種で、その菌糸が固まってできたかたいかたまり(菌核)です。
松林のなかの松(アカマツとクロマツ)の根に寄生するもので形はキクイモににています。
割ると中身は白い樹液のような汁が出ます。
私は或る時、茯苓突きの名人に連れ立って晩秋の石川県の加賀地方の松林にでかけました。
先のとがった1メートルほどの長さの鉄製の茯苓突きを持って松林に分け入りました。
目指すは松の古木または切り株の根元です。ふっくらと盛りあがった土のところを、ぐぐっと突き刺します。
突き棒をさっと抜いて先に白い樹液がついていれば茯苓があるのです。
なかなか簡単には取れません。
一日かかって私は3〜4箇取れたでしょうか。
私は遠足気分ですが、仕事として生計を立てるとなると大変です。
しかし、名人は籠に一杯も取れていたのでかなりあったと思います。
これを乾燥して生薬として仕上げると歩留まりは50%位でしょう。
国内では人件費の関係で生産は難しいでしょう。
韓国産、中国産が輸入されています。
強壮、利尿、鎮静作用があります。
漢方では八味地黄丸、五苓散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散など幅広く利用されています。
サルノコシカケ科のキノコ類には抗ガン作用のあることは古くから知られており、カワラタケなどは代表格です。
これらの茸類に含まれている多糖体(ポリサッカロイド)によるといわれています。
ガン細胞から影響を受けないようにするときは正常細胞を強くすることが大事なのです。
外科手術、化学療法、放射線療法のほかに免疫療法も考えていく必要があるのではないでしょうか。
茯苓には体内の水分の流れをよくする利水作用があるといわれています。
体内の組織液の流れをよくすれば、炎症も取り去るのです。
炎症を抑えるということは細胞の活性を高めることになりガン細胞の増殖も抑えることになるのです。
体液の流れをよくすることは健康を守るうえで 非常に重要な事なのです。
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