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中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第14号 2002年7月8日
どこにでも生えているクズの薬効
どこにでも生えているクズの薬効
クズはマメ科のつる性の多年草で、山野に自生しています。
秋の七草の一つで葉は複葉で大きく、つるの長さは10メートル以上にもなります。
全国各地にみられ、産地としては徳島、長野、群馬、鹿児島、奈良、石川などが有名です。
とくに奈良県の吉野地方に産するものは吉野葛として広く知られています。
石川県では羽咋郡の押水地方の宝立葛が藩政時代から産出したのですが、最近村おこしでまた発売されるようになりました。
いわゆる漢方の葛根湯に使う葛の根(葛根)は採取したものを水洗いし周皮を取り除いて板状に裂くようにして割り、水中でさらして板状葛根をつくります。
これをさらに1cm角に切ったものが角製葛根です。これを寒中でするのです。これを日干しにし風通しのよいところで乾燥するのです。厳しい仕事です。
普段の時にすると腐ってしまうのです。
風邪の引いた時やお腹をこわした時に飲む葛湯の葛粉は葛の根を水洗し、外皮を剥ぎ臼などでつき砕く、これを水につけて、デンプンをもみだし、不純物をのぞいて水にさらして放置し上澄みをすてる。
この作業を繰り返し、底に残った白い泥状のデンプンをとりだし乾燥させて作るのです。
葛の根には有効成分のダイゼインが含まれ発汗、解熱、鎮痙剤としてつかわれます。
葛根湯の原料として利用され、風邪、じんましん、気管支炎、神経痛、リュウマチ、下痢、食あたりなど漢方ではもっとも幅広く応用されます。
ですから、「証」の定まらない時に葛根湯でも処方しておこうということで、「葛根湯医者」は藪の代名詞となったほどです。漢方をやっている者として心しなければならない問題です。
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