中屋彦十郎がお届けする、金沢、生薬漢方薬についてのメールマガジン
「金沢の漢方薬、生薬専門店」バックナンバー
中屋彦十郎薬舗による「尾山のくすり大将」第105号 2004年4月19日
江戸時代の薬(耆婆万病円(ぎばまんびょうえん))、漢方薬膳料理(ヨモギ湯)
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江戸時代の薬(耆婆万病円(ぎばまんびょうえん))
「耆婆万病円(ぎばまんびょうえん)」
加賀藩から市中の薬舗に製造が許可された処方である。
三十一の生薬で構成され、動物薬六、石薬三、植物薬二十二という内訳である。
金、元時代の後方派の流れを組む処方で石薬を服することにより、不滅の生が宿ると伝えられた。
万病円という名前の薬は全国にあったので、中国から伝えられた処方なのだろう。
耆婆氏によって創案された万病円という意味だろうか。
当時は現在と異なり各生薬は修治(しゅうち)が施された。
修治というのはその生薬の効果がより確かなものとするために加工をするわけである。
たとえば、炒る(ホウロクで下から火であぶる)、炙る(串刺しにして焼き鳥を作るように火の上で炙る)、黒焼(炭化させず蒸し焼きにして仕上げる)、
炮る(鉄鍋のうえでそのまま炮る)上記の動、植物薬、石薬の殆んどに修治が施されている。
製造の前の下ごしらえといつたところだろうか。
何人もの職人が分担してこの作業を行ったのである。
ほんとうに手間暇のかかる手作りの薬といったところでしょう。
修治がなされたら、今度はいくつかの生薬を組み合わせて、さらに乳鉢で混ぜるとか、薬研で砕く作業を個別に行う。
さらに、搗き臼(つきうす)に少しずつ、修治のすんだ生薬を入れ、蜂蜜で練り合わせてゆくのです。
この生薬には混合する順序もあります。
順番を違えると職人の一徹が仕事人に浴びせられます。
薬一箱が一品料理ということでしょうか。
この薬も、もう製造されていません。
漢方薬膳料理(ヨモギ湯)
「ヨモギ湯」
ヨモギは生薬名を艾葉(がいよう)といい、古くから薬草として利用されてきました。
ヨモギの葉には精油成分が含まれ、これに温熱効果があるのです。
ヨモギの葉500グラムを木綿袋に入れ、浴用料とします。
腰痛にもよく、アレルギー体質や湿疹、皮膚炎などにも効果的です。
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