寒証のお血薬/芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
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芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)【万病回春】
目標
寒証のお血証体質に用いる。熱証は通導散。(一貫堂医学)
万病回春では芎帰調血飲(13味)の加減が 30項目ほど紹介されている。
産後の肥立ちに使う漢方薬で 万病回春、衆方規矩や古今方彙に産後に使うと記載がある。
【万病回春】
「産後、悪露尽きず、胸腹飽悶、疼痛し、あるいは腹中に塊あって、悪寒発熱するは悪血のあり。
依って本方に桃仁、紅花、肉桂、牛膝、枳殻、木香、延胡索に童便、姜汁を少しばかりを加え、熟地黄を去る」
※悪露とは産後に胎盤などの子宮内の組織が血とともに出てくること。
これは産後普通1か月ほどで止まる。
万病回春に登場する30種の芎帰調血飲のうち 以上の内容が一貫堂方にほぼ一致 一貫堂の芎帰調血飲第一加減は21味。
第一加減は芎帰調血飲の瘀血をとる作用をより強めた構成になっている。
日頃から気血両虚のある方に、気滞と瘀血の症状がみられる時に使用する
★産後の瘀血性疾患 悪露が排出不十分または1か月以上排出が止まらない、産後血脚気など
★婦人科疾患
★下半身を主にした循環不全など
以上古典にありますように出産後によく使われる漢方薬ですが、産後というのは気血両虚に陥りがちです。
悪露は30日くらいかけて細く長く出るのがよいとされる。
個人差はあるが早く止まって排出不十分にならないように。
または長い期間ダラダラ出て体力を虚損しないよう見守ることが大切。
産後は血脚気といって足が立たなくなることもよくある。
芎帰調血飲第一加減の構成について
地黄、大棗、当帰、甘草、芍薬、茯苓、川芎、白朮、桃仁、香附子、紅花、烏薬、牛膝、木香、牡丹皮、陳皮、益母草、枳実、延胡索、桂皮、乾姜から構成される芎帰調血飲第一加減。
血を補う薬味とそれを動かすグループ、気を補う薬味とそれを動かすグループ。
そして温補薬から構成されています。
芎帰調血飲第一加減の特徴の1つに四物湯を含有しているということがあります。
四物湯は和剤局方に登場する漢方薬ですがその条文にはこんな言葉があります。
四物湯「衝任虚損を‥治す」(和剤局方)
『衝は血海たり』 子宮から始まり、気血の作用を調節して月経の来潮と密接に関連。
月経の源泉となる 『任は胞宮を主る』
子宮から始まり、月経と妊娠能力を主る。任は姙なり。子を養生するもとたり。
衝脈と任脈はどちらも胞中(骨盤内生殖器)から始まり、妊娠や月経と深い繋がりがある。
女子胞(子宮)が胎児を養育するためには、任脈を通じた血の滋養が必要。衝脈や任脈が虚衰すると月経が不順になり、ひどくなると不妊や流産をきたす。
心の推動と肝の疏泄によってのびやかになった血は下へ降りてきて月経血となる。
脾の統血機能で摂血して月経は停止する。
気血が増加した場合は衝任脈で蓄え、気血が不足した時は衝任脈から十二経脈へ補充される。
いわばダムのような機能をもつ。奇経八脈という。
衝脈は子宮から始まり、乳房を通り、目の内眼角のほうへつながる。
任脈は子宮から始まり、真っ直ぐのぼって口に回りに合わす。
芎帰調血飲第一加減の目標は
1)根本に気血両虚
2)さらに気滞血瘀 気滞血瘀と気血両虚は一見逆のものにみえますが、絶対量が多くて気滞血瘀があって、部分的に詰まっているがその先は気血が虚していることもある。
第一加減は絶対量が少ない。全身を巡るときに量が少ないために全く流れていない箇所もできる。偏在する。そんな時に使う漢方薬。
構成生薬
当帰/地黄/茯苓/烏薬/牡丹皮/川きゅう/白朮/陳皮/香附子 |
各2.0g |
大棗/ヤクモソウ/桃仁/紅花/枳実/桂皮/牛膝/木香/延胡索/芍薬 |
各1.5g |
生姜/甘草 |
各1.0g |
効能効果
血の道症、産後の体力低下、月経不順
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