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蟻(あり)
蟻(あり)の解説
- 体に一定の効果を及ぼすと考えられている天然の薬物を「生薬」と呼んでいます。5000種類〜8000種類あるといわれます。生薬は大きく分類すると、植物薬、鉱物薬、動物薬の三つに分けることができます。植物薬は朝鮮人参をはじめ、杏仁豆腐の杏仁、冬虫夏草、霊芝、クコシなど数多くのものがあります。鉱物薬は日本ではなじみが薄いですが、滑石、石膏、硫黄などの鉱物を使います。例えば、滑石には含水珪酸マグネシウムや二酸化珪素などが含まれており、利尿や消炎効果があるので、漢方の理論に基づいて他の生薬と共に、膀胱炎や尿道炎に処方します。動物薬は海馬
(タツノオトシゴ) 、海狗腎 (オットセイの睾丸) 、牛黄 (ごおう) 、麝香、熊胆 (くまのい) そしてアリなどです。動物薬は「血肉有情の品」と言われ、特別な効能効果を持っているものが多く、普通の薬草ではなかなか治らない病気にこれらの動物薬を投与すると、思いもつかない治療効果を得ることがあります。動物薬の中でも特に昆虫類はよく用いられています。アリ以外ではサソリ、ムカデ、蝉の殻、コオロギなどです。古代中国では実際に食用にされていた昆虫は、かなり多いと推測
され「神農本草経」には、薬用昆虫としてすでに、21種類が記載され、李時珍の「本草綱目」には52種類が加えられ延べ73種類の薬用昆虫が記載されています。アリの薬用価値については漢の時代に金剛丸という丸薬があったというのです。蜂蜜を溶かし、粉砕したアリを入れて作った丸薬で、骨の弱い人に有効だというのです。古代の文献を調べてみますと、アリの主な効能は陰萎
(インポテンツ ) 、神経症、慢性関節リュウマチ、リュウマチ性関節症、悪性腫瘍 慢性肝炎、肺結核などいろいろな慢性疾患です
- 蟻は中国では約10種類が薬用にされている。一般的には黒い大型の蟻である。腫れをひかせ、毒を消す作用があるといわれ化学成分の分析や薬理作用の研究は盛んに行われている。黒蟻・・・・体全体が黒く、光沢がある。頭部は三角形で
複目は二つ、楕円形をしている。足は膝関節の形で、12個が連接して運動する。胸と背部が発達していて胸と腹部の連接点が細い。兵隊蟻と働き蟻が似ていて、雌アリと雄アリが似ている。幼いアリは頭部、胸部が細く、腹部は幅がある。体の色は黄白色で、足はない。群体生活をしていることが多く巣は地下に作ることが多い。中国全土の広い範囲に分布している。漢薬としては乾燥させた蟻を春から秋にかけて採取し、熱湯をくぐらせた後、乾燥させて使用する。成分としては蟻の頭部の腺体中から蟻酸を分泌する。それに
二八種類のアミノ酸も含まれている。濃い蟻酸なら皮膚に刺戟 があり、水などで洗浄し、薄い蟻酸なら刺激剤として使い、汗腺抑制作用を利用して汗を抑えることができる。応用としては、熱気を排除し、毒を除去する。できもの、腫れ、痛みの治療や蛇にかまれた時にも利用する。もちろん、精力にも利用されます。近年健康食品としてアリが広く知られるようになったのは、伝統食品が見直されたといったことや民間療法が広まったのではなく、さまざまな研究によりアリの栄養成分、生理的及び薬理的なメカニズム、安全性などが次第に明らかになってきたからです。中国では1988年に中国予防医学院、中国中医研究院、北京栄養源研究所などの専門家によるアリの栄養価値審査会が開かれアリは微形動物のなかでもとりわけ「栄養の宝庫」であるという結論が発表されているほどです。
- この十年ほどの間に、中国ではアリの成分、分析が盛んにおこなわれるようになりました。広西中医学院薬学部、広西農業科学院、黒龍江省軽工研究所、中国予防医学院食品栄養研究所
、栄養源研究所、北京食品研究所などいろいろな研究所でアリの栄養成分が分析されているのです。どうしてこのような多くの研究所でアリの研究が行われるようになったのでしょう。しかも、これらのところはみな昆虫学の専門分野ではないところばかりです。その答えは一つ、この十年間でアリの薬用としての効果が注目されるようになったということです。科学者たちはこぞってアリのどの成分が薬品としての効果をあげているのかを解析しています。
化学成分の分析結果によると
アリのエネルギー量は同じ重さなら牛肉の四倍である。
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